プリンセス:プリンプリン
”奇怪な連中の中にポツンと一人、大真面目な彼女”
15歳の女の子で、彼女は赤ん坊の頃、王冠と一匹のサル(モンキー)と一緒に箱に入れられ、海を漂っている所をアルトコ市の3漁師に育てられた。王冠は彼女がどこかの国の王女である証だとされ、彼女は祖国を探して3人の仲間(ボンボン、カセイジン、オサゲ)と旅に出る。
彼女は「私、行くわ!」意外な行動力を持っていながらも、普段は真面目で普通の女の子だ。それだけに周囲の連中が怪奇過ぎて主人公との温度差が大きい・・・(一人だけ真面目で優等生な彼女が健気だ(笑)。
プリンプリン物語のように主観が主役に置かれているタイプの物語では、視聴者は主人公を一番身近に感じ、感情移入
or 憧れるかするから主人公自身が変な奴ではついて行けないのだ。
またこの主人公が面白いのは「最初にお姫様設定ありき」な
事である。彼女は紛れも無く、何が何でも、疑う余地も無く”お姫様”であり、その事については誰も口を挟まない。その大前提を踏まえて出身王国が探索され
ているのである。 「彼女を正式にプリンセスとしよう!」という事で、ボンボン一行がオサラムームー島上陸の時に戴冠式を開いている(040109管理人)。
彼女がプリンセスであるという根拠は一緒に流されていた「王冠」である(〜ちなみに証であるはずのこの王冠、最初大きなクラウンだったが、バランスが悪いと思ったのかシラ〜っと小さなティアラに摩り替えられている〜)。
『え?王冠だけでプリンセス確定?!』、などと突っ込むのは野暮のする事である。水戸黄門を見よっ、旅の小汚い爺さんが印篭を見せただけで天下の副将軍に確定してしまっている!同じ事。
しかし珍しい設定ではある。・・・逆なら・・例えば「ただの庶民だと思っていた主人公が実は○○の国の王子だった、王女だった」というパターンならよくある話だ。しかし彼女の場合は”どこの国なのか分らないがとにかくお姫様!” つまりブランド先にありき。 「これがバッグなのか、ベルトなのか、財布なのか、何なのか全く判らないけどエルメスである事は間違い無いの!」と。
女の子は自分の事をお姫様と思いたい欲求を心の奥底に秘めている。この設定はだからあんなにも女の子達の心を掴んだのだろう。
そしてどうやらプリンプリンは事実上のプリンセスの庇護も受けていたようだ。
名古屋のラジオ局の「花のアナウンサー」のつボイノリオさんDJ番組で出た話によると、『プリンプリン物語は本当は一年で終了する予定だったんです。ところが皇室の影響力というのはすごいものであのサーヤが(紀宮様のこと)『好きな番組はプリンプリン』だと言われたんです。おかげで3年も続きました。』(犬玉梓之介様情報)という事らしい。
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人形の特徴:
『肌の露出がおおすぎる!』
というのが放送開始当初に送られてきた視聴者からのクレイムである。しかしそんなPTA的なクレイムとは裏腹に大人気を博した。また、次に多かった意見は「白髪じゃないか」というものだった。今では大した事の無いビジュアルも、25年前には「度肝を抜く」ものだったらしい。友永氏としてはあのドレスを美しく魅せる為に「銀糸」にしたという事だ。(恋ヶ窪様情報2003/08/02)
常に王冠を頭に戴き、銀の大きなイヤリング&ブレスレット、首飾り、純白ノースリーブのドレス、と、「まさにプリンセスそのもの」。王冠は良く見ると非常に凝っていて象嵌や彫刻が細やかでまさに「金目の物」だ。
「しかし漁師に拾われ育てられたにしては不自然に格調高い衣装だな」、などと深く考えてはならない。恐らくものすご〜く金持ちな漁師だったのだ。それか装身具も一緒に流れてきたのだ。
銀色の長髪を三つ編みにし、頭の左右でそれぞれクルクルと巻いて団子にしている。また長い髪の束が耳の前面に胸よりも下まで垂がり後のセーラームーンのルーツのような髪型だ。
そして、実はよく見ると長いマツゲの一本一本が黒と黄色のストライプに塗られているではないか!、と思ったらどうやら材料であるホロホロ鳥の羽の天然模様らしい。何とも奇抜な素材選択である。
見れば見るほど人形作家の斬新なデザインセンスに心を打たれ、恐れ入るばかり。
ちなみに人形作家友永先生によると「装飾には本物の銀、衣装の生地もインドから輸入、ときには現地の友人のつてで入手したこともあった」(Yoshida様)、という事である。
頂いた視聴感想で『プリンプリン人形は木肌のままだったので回を追うごとに顔がどす黒くなっていった。そろそろ掃除してやれよ、と思っていたが、あれは汚れが木目の間に入ったり木地が日に焼けたせいだったのかも知れない(16@22様)』という声があったが、まさにその通りで、僕が今年10月見に行った時すでに彼女の顔色は小麦色だった。
プリンプリンには”サイプレス・アメリカ桧”という腐食に強く、木目細かい白い木材が選ばれていたので、当初は肌が色白で美しかった。しかし撮影時のか
なり強い照明を繰り返し浴び続けたため、文字通り「日焼け」してしまったのだろう。しかし小麦色もそれはそれで魅力として受け入れられる。
<プリンプリンの目の横のホクロ> (片岡力様情報 2003/08/07)
まぶたを開閉するギミック用に打ち込んだ釘状の器具の跡。逆にいえば、これがないプリンプリンの人形はまぶたが開閉しない。もちろん人形によっては、ギミックと関係なく純粋にホクロとして描かれたものもあるが。
<プリンプリンの髪の毛> (片岡力様情報 2003/08/07)
放送開始からしばらくはわりとゴワゴワした感じの髪質だったが、放送1年目の夏休み明け、つまりアクタ共和国篇あたりで髪質を現在のサラサラした感じの
ものに変更した。髪の毛が服や顔にすぐ引っ掛かるのが友永先生は気に入らず、直すチャンスをうかがっていたのだそうで、そのチャンスが夏休みだったという
わけである。
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声:石川ひとみ
当時大人気アイドルで、声優の仕事は初めてだったという。・・・と、言っても僕が幼児だった放送当時は、人形自身が声を出している、と信じていたので声優がいた事も知らなかった。僕がひとみさんを知ったのは去年サイトを起こしてからの事である。
プリンプリン人気の波に乗り、曲「まちぶせ」が大ヒット。「アイドル」というとどうしても歌が下手なイメージがあるが、この人は別格で、非常に美しく愛ら
しい透き通るような声だ。つい先日(9月)NHKのスタジオパークに出演されていたが未だに可愛らしくてビックリだ。歌声も全く衰えておらず、その潜在的
パワーには脱帽である。ちなみに渋谷スタジオパークに行くと誰でもパソコン端末で最終回の5分編集バージョンを見る事ができる。
<芸能生活略歴> | |
S53.5 S54 S56.4 同.12 H1 H3 |
9月20日生まれ。 ♪「右向け右」でキャニオンレコードよりデビュー。 「プリンプリン物語」でプリンプリンの声/主題歌。 ♪「まちぶせ」(キャニオンレコード) 第14回全日本有線放送大賞 特別賞受賞 NHK紅白歌合戦初出場。 日本テレビ「みなしごハッチ」ハッチの声/主題歌。 フジテレビ「ふしぎな少女ナイルなトトメス」主題歌。 現在も「TV宮城」等、地方TV局でレギュラー出演中! |
<プリンプリン的生活@略歴>UP中 | |
S54 (1979) |
3/2 友永詔三氏(人形造形師)とNHKで制作発表記者会見 当 初友永氏はプリンプリンの人形を今よりシャープな顔立ちで作ったのだが、その後、ふっくらと親しみやすい顔立ちに変更した。その後のこの記者会見で初めて 直にひとみさんを見た時、まるい面立ちが人形と似ている事に気付いたという。 (「NHK連続人形劇のすべて」エンターブレイン社2003、より管理者要 約) 4/2 プリンプリン物語 第一回放送 |
S55 (1980) |
|
S56 (1981) |
4月初〜 ドオンブリカ王国 4月 ♪「まちぶせ」(キャニオンレコード) 前 年(S55年)の夏ぐらいから、「果たして、このままでいいのだろうか? このあたりで、自分の生きていく道を、しっかり決めておかなくちゃ。」と思い始 めていたようです。そしてこの「まちぶせ」を出した時には、「この曲ならば、たとえここで自分の歌手としてのキャリアがおしまいになっても、悔いはない わ。」と思ったという。(Yoshida様) 12月 第14回全日本有線放送大賞 特別賞受賞 |
S57 (1982) |
2〜3月初 タンガラトントン王国 3/19 プリンプリン物語 最終回 |
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<プリンプリンの声優体験>
ひとみさんは声優の仕事は初めてだったのでいろいろ諸先輩に教わる事が多かったという。特に悲鳴などの「感嘆詞」が難しかったらしい。
ご本人によると 「風邪をひかないようにうがいやシップなどをしていた。共演者から、『ひとみちゃん、これいいよ。』と、薦められる事もあった(Yoshida様)」、という。
また、『物語の比較的初期、番組エンディングで、突如何の脈絡もなくひとみさんが水上スキーの”真似”をしている映像が出た事があった。白い衣装で周囲にハリボテの波。膝を折り曲げ・体を左右に揺らすひとみさんがいた(しどろもどろ様)』という。
さて、後日、この記憶エピソードを裏付ける雑誌記事を聞いたのでここに紹介しよう。
『 ”本番ではパッと脱いだ
” 松本弘孝 NHK「プリンプリン物語」ディレクター
今年の夏、プリンセス・プリンプリンの夏休み旅行という設定で撮った、遊覧船のシーン。人形と同じサイズにして、ひとみも登場させました。船に引かれて
水上スキーをするため、水着姿になってもらったんですよ。雑誌やポスターの撮影で慣れているとはいえ、大勢のスタッフがジーッと見つめるスタジオではやは
り照れくさかったんでしょうネ。はじめのうちモジモジしていましたが、いざ本番になったらスパッと上着を脱いで、ビキニ姿になってくれました。』雑誌「ボム!」(学習研究社)の昭和56(1981)年、12月号の石川ひとみ巻頭特集号の中での<16人が語ってくれたひとみの魅力とエピソード集>からの引用。 (凍冬引様 030515)
※後、この水上スキーは2003/9/11の再放送によって確認された。デルーデル編である。
また、こういう記事もある。
『”悲鳴のシーンで熱演” 森山孝治
「プリンプリン物語」プロデューサー
プリンプリンが坂の上から落ちるシーンで、ひとみちゃんは辛抱強さを発揮。「『キャー』ってなが〜く伸ばして」というディレクターの注文通り、何度も何度
も叫んでいましたネ。確か7回目ぐらいに、これ以上息が続かないくらいの長い悲鳴をあげて、やっとOK。さすがに苦しかったらしく、胸をおさえてため息を
ついていましたっけ。
』雑誌「ボム!」(学習研究社)の昭和56(1981)年、12月号の石川ひとみ巻頭特集号の中での<16人が語ってくれたひとみの魅力とエピソード集>からの引用。 (凍冬引様 030515)
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