------第156回 「くっついたルチ将軍の頭」 (前半9:30のみ)------
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ボンボンはモンキーの作戦によって巨大磁石をルチ将軍の頭にくっつけ、熱気球で空高く吊り上げた。しかしその先の
事を考えていなかった。ボンボン:「ま、いーや、しばらくは風のまにまに空中散歩っと」
吊り上げられたルチ将軍はジタバタもがくも磁石から逃れられな
い。そこへカラス飛んできて「アホウ、アホウ」と鳴く。 「アホウとは何だ!私の知能指数は1300!」と悔しそうなルチ将軍。「私の部下は何をしている
のだ?!」
そ
の様子をダマスクセ本部でモニタリングし
ていたランカー。そこへ”ダマスクセ大学附属ダマスクセ天文台台長”のワインシュタイン教授が布の包みを持ってやってくる。 ランカー:「待っていたぞ。
あんたは65年前アクタ共和国の王家の谷に隕石が落ちたと言ったな?」(65年前…) ワインシュ
タイン教授:「ウィ~。いかにも。その時落ちた隕石の模型がこれで
す。」 教授が布の包みを開けるとルチ将軍の頭の形の隕石の模型が現れた。
ランカー:「これは模型。そして本物は今から15年前、どこからか忽然と現れてクーデターを起
こして国王と王妃を機関銃で撃ち殺し、アクタ共和国の支配者の座に着いたルチ将軍の頭になった!…これがわしの考えだ。」
ワインシュタイン教授:「信
じられんぞよー、空から降った隕石が人間の頭になるなんて」 教授は頭を抱え込む。(気持ちは分かるよ。)
ラ
ンカー:「ルチ将軍の頭はライフルの弾を弾き返した。そして今磁石に
ピッタリとくっついてこの通りだ。あんたが信じようと信じまいとルチ将軍の頭は隕石だ!これが事実なのだ。」(では何のために教授を呼んだんで?(^^;) ランカーは即座にヘリを
用意させ、アクタ共
和国へ飛び立った。
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一
方、アクタラバードの宮殿の庭園ではプリンプリン、オサゲ、カセイジンが話している。一行はこの時期ランカーの要請を受けたルチ将軍によって宮殿内に客と
して迎えられていたのである。
カセイジン:「いいですか?今私達が飲んでいるルチ将軍愛用のアクタ
ラ缶ジュースの缶は」 プリンプリン:「アルミ缶じゃないって言いたいんでしょ?」 カセイジン:「そうです。」(補足:どうやらこの前の回でその事に関する「予感」が
あったらしい。) オサゲ:「アルミ缶だろうとブリキ缶だ
ろうとどうでもいいと思うんだな。問題はおいしいかおいしくないかって事さ。ゴクゴクゴク…味はまぁまぁってトコだね。」 オサゲが飲んだ後の缶をポ
イ捨てる。それを注意するプリンプリン。オサゲ:「いけね、そこら中に捨ててあるんでつい」 カセイジン:「私の予感が正しければアルミかブリキかは重要
な事なのです。」
(補足:1970年代から
日本で普及し始めたアルミ缶。こ
のやり取りからして放送当時1979年には既にジュースのアルミ缶はある程度一般的になり始めていたようだ。ちなみに広く置き換わったのは1980年代後半からだという。)
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ス
テッラ:「”我が祖国アクタ共和国の輝ける支配者”ルチ将軍の救出作戦についてご説明します。」 アクタラバードの宮殿内では、ルチ将軍救出作戦の作戦会
議が始まった。
ヘムラー:「それにしてもルチ将軍の頭が磁石にくっついちゃうなんて思ってもみない事だった。」 ステッラ:「あの方の頭は普通の頭とは
違
うのです。」(いやそういう違い方は変
でしょ。) ヘムラー&ステッラ:「知能指数1300だから、15年前のクーデター以来、内閣も作らず、議会も裁判所も作ら
ず」 ヘムラー:「…後継者
も作らず。」 ステッラ:「何もかも、一人でおやりになった偉大な独裁者!」 ヘムラー:「だから困っちゃうんだ。さらわれちゃうと、その後どうしていい
か…」 ステッラ:「だからこそ、一刻も早くルチ将軍を救出しなければならない。」
ステッラが説明する救出作戦の概要をヘムラーと軍曹が気球と飛行船のミニチュアパネルで図示する。
ステッラ:「目
には目を歯には歯を、磁石には磁石を!わが空軍のランカー型飛行船に巨大な磁石をぶら下げ、あのけしからん気球を追いかける。そして”我が祖国アクタ共
和国の輝ける支配者”ルチ将軍の頭をその磁石でしっかり捕まえ戻ってくる。そうすればあの気球に乗ってる奴らも一網打尽!!」(アクタ共和国空軍ランカー型飛行船)
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作戦の内容を庭の窓からこっそり聞いていたプリンプリンとオサゲとカセイジン。 プ
リンプリン:「どうするカセイジン?このまま放っておいたらボンボンやモンキーまで…」 (作戦会議のセキュリティー甘すぎである。)
その時宮殿の庭に一隊の兵士と作戦用に発注した巨大磁石を吊り下げた戦車が入ってくる。♪アクタ共和国国家。 そして兵士達
は作戦準備のために戦車を残していなくなった。
何か思いついたカセイジン:「そうだ!失礼しますよ。私は空き缶をポイ捨てします。」 アクタラ缶ジュースを飲んでその缶を投げるカセイジン。缶は宙を舞
い、戦車に吊り下げられた巨大磁石にくっついた。
カセイジン:「手伝ってください、オサゲ、プリンプリン、エッサホイ!」
三人は巨大磁石のぶら下がった戦車のクレーンを旋回させる。すると辺りに山のようにポイ捨てられていた空き缶がなんと一斉に磁石にくっついてしまった。空き缶に
埋もれた巨大磁石。サッと逃げ出すプリンプリン一行。
そ
こへステッラ、軍曹、ヘムラーが駆けつけた。
軍曹:「ややややや?これはいったい何事でございますですか?」 ステッラ:「冗談じゃないよ!こんなに空き
缶いっぱいくっつけちゃ使い物にならないじゃないの!軍曹っなんとかしなさい!」 軍曹:「はい!全体ー、なんとかしろ!」 兵士らに号令する。
しかし軍曹
をはじめ兵士らの鉄カブトが磁石にくっついて身動き取れなくなってしまった。 ステッラ:「ええい!なんてドジな!ルチ将軍救出作戦が目茶目茶に
なったじゃないかー!!!、ああああああ…」
物陰で見ているプリンプリン一行「私達、姿をくらました方がいいんじゃない?」「そうしましょそうしましょ」
(ここで映像断絶)
(補
足)ルチ将軍型隕石が落下したのが「65年前」というセリフが気になった。放送当時の65年前は1914年で脚本家の石山透先生も生まれていない。しかし
理系でSF好きだった先生の事なので何か意味のある年では無いだろうか?調べてみると1914年ドイツ軍が戦闘中にポーランドで隕石を発見している。5000年前に落下した有名な「モラスコ隕石」である。これはまさしく鉄分92%の「鉄隕石」だったという。あくまでも発見された年が1914年であり落下した年ではないのだが、もしかしたら先生はこの鉄
隕石を意識されていたのかも知れない。