------第174回 「星になった独裁者」 (後半の一部が途切れている)------
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ルチ将軍の頭部だった隕石はジェット噴射で青空高く、そして宇宙のかなたへと飛び去った。
ルチ将軍の宮殿はというと、跡形も無く吹っ飛び残骸が残るのみ。
そんな中、ボロボロに負傷したヘムラーとステッラが軍曹に両腕で抱えられて担ぎ出される。
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アクタ共和国宮殿正門で語り合うプリンプリン一行。
プリンプリン:「何かが起こった、でも何が起こったのか私には何にも判らない。」 カセイジン:「この不可解な事件の謎を解くため、私はこうして発想の転換をはかります。エッサホイ!」急に逆立ち(?)して考え事をしはじめるカセイジン。(※頭は正常方向というアクロバティックな逆立ちである)(ランカー商会兵器パンフレット)
そ
こへ負傷したシドロモドロがヘドロに連れられてやってくる。
シ
ドロ&モドロ:「俺達王宮に忍び込んで金庫を開け、例のイン石の箱を盗み出したんでさぁ。そ
したら、他にも”何か”があったんでさぁ。こんな形しててこんなので…」 ヘドロ:「ちょっとちょっと、もしかしてその”何か”ってのはこんなんじゃな
かったかい?」とヘドロはランカー商会の兵器パンフレット
を開いて見せた。 シドロ&モドロ:「お~、ピッタンコ!」 プリンプリン:「それなぁに?」 ヘドロ:「これはねぇ、ランカー様が開発してルチ将軍に
売り込んだ”最新新型大量殺人ヒ・トゴロチ爆弾”なんだよ。おまえ達はそれを爆発させちゃったんだよ。」 驚く一同、震え上がるシドロモドロ。 逆立ちし
ながらカセイジン:「最新新型大量殺人ヒ・トゴロチ爆弾…」
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再び宮殿の廃墟でプリンプリンとマノンが語り合う。
プリンプリン:「あ、星が光ってる。一番星。ルチ将軍の頭だったイン石が飛んでったのはちょうどあの方向だったわ。」
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一方ダマスクセでは
ランカー:「おかしい…不思議だ…もし本当に最新新型大量殺人ヒ・トゴロチ爆弾が爆発したのならアクタラバードの街全体が吹っ飛んで何万人も死ぬはずだ。」 チンタム:「報告によりますと死んだ人ゼロ、怪我をした人数十人。それだけ。」 ランカー:「う~ん…」
そして天体望遠鏡を覗くランカーはびっくり。「おおっ、あれは!?」
ワインシュタイン博士:「その昔空から降ったイン石は宇宙の果てへ戻って行ったぞよ。ウィー」
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再びアクタ共和国宮殿正門のプリンプリン一行。
日が暮れても尚ずっと考え込んでいたカセイジン。突然ひらめいた。
カセイジン:「ずわーっと!分かった!分かりました。謎は解けました!いいですか皆さん?最新新型大量殺人ヒ・トゴロチ爆弾は爆発すると物凄いエネルギーを出して何万人もの人を殺すのです。
1) 2)
3)
しかしさっき爆発した時、そこにはルチ将軍の頭だったイン石があった(1)。そのイン石は爆弾のエネルギーをほとんど全部吸収した(2)。そしてそのエネル
ギーで宇宙の果てへ飛んで行った(3)。最新新型大量殺人ヒ・トゴロチ爆弾が爆発したにも関わらず被害がわずかで済んだのはそのせいなのですよ。そうで
す。きっとそうに違いない。ハハハ、これで謎は全て解けました!」
満足げなカセイジン。 (カセイジンの思考の帰結点=物語の絶対的真実である。)
ケースに入ったルチ将軍の頭だったイン石の模型と、天体望遠鏡。
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【補足&感想】: なぜか一貫してプリンプリン世界のキャラ達は皆「イン石」の発音が今と変わっている。「イ」にアクセントを置かずに「引責辞任」のインセキと同じイントネーションである。これは日本語自体の時代変化の問題だろうか?当時はこの発音が普通だったのだろうか?
【補足&感想】: マノンの宮殿跡での長いセリフは重要と思われたので一言一句略さずに記載した。何故なら青春時代に戦中戦後を経験した脚本家石山透先生の様々な想いが反映されたセリフに違いないと思ったからだ。石山先生を含め、焼け野原を目の当たりにしたあの時代の日本人は皆この思いで復興に立ち上がったのだろう。 …が、かと言って自らの思いに完全にのめり込んでしまう事も無く、プリンプリンの「空き缶もね」というすっとぼけたセリフでスッと横にかわす辺り、これまた石山先生らしいと思う。)