妙なおじさん(16@22様)に広島で開催された展の様子を投稿して頂いたのでUPさせて頂きました!m(__)m
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妙なおじさん(16@22様):「友永昭三展」2004年11月23日(火)
蒲刈島の蘭島閣美術館(2004/11/23)

 遅れ馳せながら、私も昨日、蒲刈島の蘭島閣美術館に行ってきました。
 私の所からは少々遠いので、行こうか行くまいか迷っていたのですが、「そう言えば、11月いっぱいだって言ってたよな〜。この機会を逃したら、もう二度と本物の人形を見ることも無いかもしれないな〜。」と思い、重い腰を上げました。 ということで、以下にレポート差し上げます。(ちょいと長いかもしれません;・・・というより、はっきり言って長いです! あと、メモを取るような人間ではないので、細かいところ記憶が間違っているかもしれませんが、そのへんはご容赦下さい)

  家から2時間ほど車を走らせ、安芸灘大橋(本州と蒲刈島を結ぶ橋)のたもとに到着。安芸灘大橋と蒲刈島が一望できる高台で、コンビニおにぎりを頬張る。(ショボ。ほんとは蛸飯でも食べたいところですが) 眺望、めっちゃ綺麗!(天気も最高)
 腹ごしらえが出来たところで、車から自転車を引っ張り出し、颯爽と大橋を渡る。自転車の通行料はタダなのだ♪(ちんけな野郎でござんす) 勿論、徒歩でも無料で、この日も歩いて渡っている人が結構いた。 橋の上からの眺めが、これまた最高!(高所恐怖症の人は、しっかり前だけ向いて渡って下さい)
 ここの海峡は、「女猫の瀬戸」(なかなかロマンチックな名称でしょ)と言って、かなり潮の流れの速い所である。以前はフェリーで渡っていて、白波が立ち少々恐い思いをしたのを思い出した。(船で渡るほうが風情がありますが) その日も、何艘もの鯛釣り舟が出ていた。
 橋を渡りきった所に、フェリーの桟橋があるのだが、そこに、帆掛け舟を象ったモニュメントがある。これは何を隠そう、私が二十代の頃に仕事で作った物だ。(過去の栄光にすがる私;) さすがにボロボロだったが、まだ在って良かった。
 島の斜面は、温州ミカンがワンサカ生ってオレンジ色に染まっている。(瀬戸内の島は、どこもミカンの栽培が盛んです) 4〜5月頃に行くと、ミカンの花の甘い香りに包まれるのだ。

さて、前置きが長かったが、15分ほど走ると美術館に到着。この美術館が、本格的木造建築で、概観は、ちょっとした城という様相だ。展示室内部にも太い丸太の柱が、ズドン、ズドンと貫いていたり、展示ケースの上部に瓦の庇が付いてたりして、非常に凝った建築である。
 玄関に入ると、いきなりプリンプリンの設定画と、プリンプリンに似たブロンズ像(銀色なので、ブロンズではないかも)があった。ここでスリッパに履き替える事になっているので、慌てんぼさんは見逃すかもしれない。そしてチケットを買って早速、展示へ。

 1階のロビーの壁に原画がズラリと掛けてある。観てみると、ボンボン、オサゲ、カセイジンが並んだ画が。カセイジンは、殆んど人形と変わらなかったが、オサゲには、「おさげ」が・・・ない。その代わり、ボンボンに短いオサゲがあり、頭は大仏パーマだった。(笑) ヘドロは鼻に輪っかのピアスをしていた。ワットさんのメガネは八角形だった。魔女は奇妙な形の竹馬のような物を履いていて、仮面の中の顔は、ピエロのように描かれていた。ルチ将軍は、四角いメガネを掛けていて、袖はニシキヘビではなく普通だった。印象に残ったのは、これくらいだろうか。
 原画は、大体ペン描きに水彩という感じだったが、いたるところに金彩が施されているのが印象的だった。

 そして、いよいよ人形が展示してある部屋へ。
 まず目に飛び込んできたのが、部屋の中央に一体だけで鎮座しているプリンプリンだった。縦に細長い透明ケースに入っているので、360゚の方向から眺める事が出来る。早速、あらゆる方向からジックリと観察した。(他から見ると、本当に「妙なおじさん」に見えた事に違い在りません;) 第一印象は、「やっぱり小さいな〜。」ということだった。ひとみさんがプリンプリンを持っている写真を見て、大体の大きさは想像していたのだが、やはり小さかった。手なんか、私の親指の先程の大きさで、指は楊枝のような細さだ。よく、ポキン!と折らずに削れるもんだと感心した。ここのサイトの「キャラクター」コーナーで、材には「ツゲ」が使われているとあったが、粘りがあって折れにくいツゲを使ったのは納得だ。(ツゲ櫛なんて有名ですね) 関節の細工もキッチリしていて、隙間がない。テレビでは見えないが、木目がハッキリクッキリ見える。ところどころホクロのように、木の節の跡なのか黒いポツポツもある。首の右のほうにもないかと探したが。(笑) NHK50周年の時に化粧直しがされたということで、白く塗ったのかな〜と思っていたが、木肌そのままだったので、やはり表面の汚れを削り取ったのだろう。(骨の折れる作業です)
 衣装も綺麗で、もの凄く薄い布が使われている。外から中のサンダルが薄っすら透けて見えた。しかし、右の腰帯(っていうんですか)が少し解れていた。50周年のPRで激しく動き過ぎたのか(笑)、はたまた、ここまでの長旅の間に、どこかに引っ掛けたのか。
 装飾具の細工の細かさにも更に驚いた。流石に本物の銀製ということで、黒くくすんでいたが。(銀は常に磨いていないとダメですからね) 腕輪は一箇所接着剤で留められていた。
 睫毛の羽根が、また細かくて、綺麗で、・・・「いい仕事してますな〜。」

他の人形は、部屋の三方がショウケースになっていて、そこにズラリと並んでいた。
 オサゲとモンキーは、当たり前だが、更に小さかった。オサゲは手が長いな〜、というより脚が短い。(笑) 軍曹のヘルメットは、布のような物で固定、というか半固定されていた。
 絵板で懸案の魔女だが、脚はどうなってるんだろ?と、よく見ると、しっかりした脚(結構な大根あし)があった。素足に高下駄(ごつくて、実寸で10cm以上はありそうな)を履いていた。手と違い、脚は普通の人間の足で、レースのような素材のモモヒキのような物を穿いている。同じような袖も付いていた。足の爪は緑だったような・・。マントはビロードのような素材で作られていた。

 本放送世代と思しき女性が熱心に人形について話しているのが、ちらほらと見受けられた。(勿論、声などは掛けておりません) 暫らくすると、小学生の団体が入ってきて、カシマシイことに。「あ、これ知ってる。これも知ってる〜♪」とか、「なんか、キモくな〜い?」とか。(笑)

 私は、小学生達から避難して、二階の友永先生の絵画や彫刻のコ―ナーヘ。
 壁には2〜3m角はありそうな大きな版画が掛かっている。プリンプリンに似た頭の裸婦像と、なぜか河童。かなり荒いテクスチャーの和紙を使っているようだった。着彩は筆で行っておられるようだ。棟方志功の版画を思い出した。(タッチは全然違いますが)
 木彫りの女性像が沢山あった。皆、プリンプリンのような髪型だ。手足が、もの凄く細い。モチーフとして、リンゴを沢山使われている。リンゴに、下駄を履いた脚が生えているものなんかもあった。あと、サカナ。魚をモチーフにした照明器具が何点か。(これにも脚が生えてます) 人面魚のように、魚の胴体に人間の頭が付いた彫刻もあった。(魔女の原型でしょうか?)

 小学生の嵐が去った後、再びプリンプリンの部屋へ。私一人になったので、再び、ジックリと見て回った。二階の彫刻作品を見た後でも、やはり、プリンプリンが一番気合が入っている、というか、手が入っているな〜と思った。

 そして、充分堪能した後、退館した。

その後、美術館の裏にある、「白雪楼」へ。ここは江戸時代の旧宅を移築したもので、茶室や庭園があり、お勧めである。
 「こんにちは〜。」と、上がりかまちを上がってゆくと・・・・し〜ん。暫らくすると、奥からお姉さんが出てきた。300円を払って、座敷に通された。赤絨毯の上に座り、暫らく部屋を眺めていると、お姉さんが抹茶とお菓子を持って来た。「え〜つと、茶碗は右に二回まわすんだっけ?」などと思っていると、お姉さんは奥のほうへ。誰も居なくなったのをいいことに、無作法にお茶とお菓子を頂く私であった。お菓子はモミジを模した和菓子と落雁だった。独りで庭とお茶を愉しむのは、ちょっと寂しいような(本来なら着物の美人を連れてくるものである)、しかし、凄く贅沢なキブンを味わったのであった。
 お茶を頂いた後、二階の六畳へ。ここからの眺めは、素晴らしい! 美術館の屋根越しに、安芸灘大橋から、蒲刈大橋(対岸の上島と下島を結ぶ橋)まで見渡せる。目の前の海峡には、ポンポンと漁船が行き交う。裏の斜面にはツワブキの花が咲き誇り、甘く強い匂いを漂わせている。(晩秋の香りですね。島のいたる所にツワブキが群生していました。) 暫らく瀬戸の眺望を愉しんだ後、(後から御客さんが沢山来て、お姉さんは忙しそうだったので、「ケッコーな御手前でした。」とも言えずに)白雪楼を後にする。

 帰路に就くには早すぎる時間だったので、島を一周して帰ることにする。
 下蒲刈島は海岸沿いに一周でき、道も平坦で、ゆっくり走っても1時間ほどで一周できるので、サイクリングにお勧めである。
 先の台風の爪あとが、ここかしこに見受けられたが、道は続いていた。海が綺麗だ。泳ぐ魚がハッキリ見える。いたるところに釣り人がいる。地元のおばちゃんが釣り糸を垂れてる姿が微笑ましい。漁港には蛸壺が山積みしてあって、蛸漁が盛んな事を窺わせる。
 しかし、いつもながら、「瀬戸内の風景は、ええな〜。」と思うのであった。

 帰路は、女猫の瀬戸を横目に見ながら夕暮れの海岸線を家路に向かった。(車の中で『瀬戸の花嫁♪』を口ずさんだのは言うまでも無い)

 
 なんか、半分、得意のお国自慢みたいになってしまいましたが、まだ行っていない方は是非、蒲刈島へいらして下さい。(「友永昭三展」の開期が、この日曜11/28までなので、あと少ししかありませんが)

 なが〜い文を最後まで読んで下さいました奇特な方、ありがとうございました。
 事前情報を下さいました方にも御礼申し上げます。m(__)m


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