人形達の裏話
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・「友永氏は従来のNHK人形劇人形作家と違い、人形劇団の所属経験が無かった。なので人形製作の常
識やしがらみ(例えば操作性の良し悪しなど)に囚われる事なく新しい手法を導入していった。球体関節や2mもある巨大なランカーの人形などがその例であ
る。しかしその分操作スタッフは苦労したという。」(『電撃特撮通信vol-19・メディアワークス社』から引用、管理者要約)
・「人形の現代的なシルエットと、ポップな衣装デザインが好評をよんだ。木彫りで球形関節の棒使い人形が中心で、マリオネット、ウレタンのグローブ人形も使用した。」(NHKホームページより抜粋 )
・「いろんな国に行くお話なので、その国ごとの特徴を人形に反映させるのが難しかった。NHKの”のど自慢”など
の地域番組や、竹の子族など当時の最先端の風俗がずいぶん参考になった。最も忙しい頃は、週に20体ぐらい作っていた。」という話だ。(Yoshida様情報)
・友永詔三氏は、「どこかがボクの知ってる人のどこかに似ちゃいますね。初恋の人の目とか。白木の人形の関節に球を入れたり、裸にしても美しいように、見えないところをより大事にしています」」と言っている。(凍冬引様情報2003/08/06@『テレビ30年 週刊TVガイド・別冊』(昭和57年2月8日発行、東京ニュース通信社))
・「人形は木をもとに作り、全身きちんとできている。プリンプリンはアメリカビ
バ、ランカーは桐、シドロ、モドロは松の木、チンタムはカツラを使った。種類を変えたのは木の持っている色をそのまま使うためだった。人形は合計で500
体くらい作った。 このほか、まつ毛は鳥の羽根でできており、人形によってまつ毛も違う。爪もちゃんとついている。」(crescendo様情報)
また、友永先生は
「飛鳥時代の仏像が好きで、木彫り連作の少女像の髪型もそれをヒントにして少女の彫像を作ったりした事もある」(大道寺零様@ゼロダマ) 、という。そう言われて改めてプリンプリン、ボンボン、カセイジン、オサゲなどの顔立ちを見ると仏像、観音象や地蔵仏などの仏教美術の影響を受けているようにも見える
また人形達の美しい衣装や装飾などは7人の女性スタッフが友永先生をサポートしたと言う。
氏の人形は、きちんと性器まで造り込まれて
いるので、プリンの着替えの時には「男の人は見ちゃダメ」と、女性スタッフだけで行なった。(03/05/25:神無月仏滅様情報@友永詔三「動く木彫人形」より)
さて、視聴者としての素人感想だが、プリンプリン物語の人形造形には親しみやすさへの媚びが無く、シビアな美しさを感じられる。幼心にそれ程取っ付きやすい容姿では無かったが、これら人形達が創造する独特の世界観に強く印象付けられたのは確かだ。
もしこれが単にかわいらしいだけの子供受けを狙った人形だったら、脳を右から左へ抜けて行くだけで、今に至ってなお、こんなに人々の記憶に残る事は無かっただろう。
友永先生の人形には不思議な魔力が宿ってるのかもしれない。
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・『碧〜一番美しい瞳の色』
プリンプリン物語の人形達は碧(青緑色)の瞳が多いが、それは友永氏が昔オーストラリアへ行った際、青緑色の瞳をした人々を見てびっくり、「こんな美しい瞳の色があったんだ・・・」と。 以来、グリーン・アイは友永氏の「ベスト・オヴ・瞳の色」となったという。(恋ヶ窪様情報2003/08/02)
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・『主役人形たちは何体いるのか?』 片岡力様-(『NHK連続人形劇のすべて』企画・編集者)
(※片岡力氏----無頼堂を立ち上げ、現在フリーの編集ライターとして、「特撮電撃通信」などで活躍。
他に「NHK少年ドラマシリーズのすべて」という、星雲賞を受賞した本も企画・編集(urico様情報))
★03/10/11
BBSより 基
本的に登場する人形は、衣裳を別にすれば、影絵や動物も含めて、ほぼすべて友永さんが作られていると考えていいでしょう。板人形(往年の名アナウンサー・
高橋圭三によく似た、眉毛の動く人形)なども出てきました。台本を読んで「この人形は裏表のある板人形にしよう」というアイディアを出すことも含めて、友
永さんの仕事だと言っていいと考えます。
ただ、影絵の人形は小道具か背景扱いだったようで、小道具の堅工房さんが作られていたとのことです。
★03/07/30 BBSより 「プリンプリン一行はそれぞれ何体いるのか?」、という件について、取材の結果現時点でわかっていることをお伝えします。
ボンボンとモンキーはそれぞれ最低2体、オサゲとカセイジンは最低3体確認できています。 実際にいま複数の場所で同時にボンボンたちの人形が展示されています。
もちろんどの人形も実際に撮影で使われたホンモノです。
ならば、それぞれの人形の複数のタイプ(タイプA、B、Cと名付けました)はどうやって区別するのか……それについては、いろいろ考えるのもまたファンの権利であり楽しみでもありますから、今はあえてお答えしないでおきましょう。
『プリンプリン物語メモリアルブック(仮題)』で実例写真付きで回答する予定です。
ただ、カセイジン人形は、タイプA、B、CのほかにタイプDが存在します(しました)。
このカセイジン・タイプDは、いわゆる(って誰も言ってないが)「えびぞりカセイジン」です。
予感があまりにも激しい場合、カセイジンは何度かえびぞりスタイルになります。
最初のうちは、みなさんのご明察のとおり、1体のカセイジンを頭だけ出し、もう1体のカセイジンの胴体だけを逆立ちさせて、つまり2体を使って1体の「えびぞりカセイジン」に見せていました。
ところが、デルーデル篇の後半(第565回)では、初めから1体でえびぞりの形になっているカセイジンが出てきます(しかも独楽のようにグルグル回転します)。
これをタイプDとしました。
友永先生に確認したところ、カシラを流用しボディだけ新しく作ってくっつけたと記憶している、とのことでした。
したがって、カシラを元のボディにつなぎ直したとしたら、タイプDはすでに現存せず、もし現存してもカシラはなくボディのみ、ということになります。
★03/08/03 BBSより タイプCの人形は、オサゲ・カセイジン・ボンボンすべてについて存在します(ボンボンのそれはつい先週存在が確認されました)。
おそらくは同じ用途(放送期間中の外部展示用)のために、同じ時期に作られたものだと推測されます。
本放送に出てきたかどうかについては、その可能性もあるようですが、今のところ裏が取れていません。
ボンボンなどは「エッ!これ誰?」というくらい顔つきが違いますし、カセンジンはある決定的なところが違います(証拠写真も『プリンプリン物語メモリアルブック』に掲載します)。
タイプCの人形たちがタイプA&Bと決定的に違うのは、人形の構造上の点です。
タイプCはタイプA&Bと違って、首が直接胴体にくっついているのです。
つまり、体と首(つまり顔)がつねに同じ方向(正面)を向いてしまうんですね。
この点から考えて、これらは操演用ではなく展示用の人形で、場合によってはタイプA&Bの代理としてほんの少し画面に登場した可能性がある、といまのところ考えています。
それでも友永先生自らの手彫りですから、ホンモノには違いありません。
ちなみに、全裸オサゲで確認できる男性器(といっても、ちょっと突起がついているといった程度のものですが)は、タイプA&Bにも付いています。
このことは、ウンゴロ連邦篇の初めのほうの「プリンプリンの世界早まわりすごろく」の時に出てくる「プリンプリンの仮装大会」で一瞬確認できます。今回の再放送でも流れるはずですから、お楽しみに(^_^;;;)。
また、有名な「おフロ」のシーンで出てくる全裸オサゲは、小生はタイプCだと思っていたのですが、どうやらこれもタイプAかBのようですね。
なお今回、ランカーの全裸ボディも再発見されました(足は未発見)。
しかし、これを本に掲載してよいものやら(^_^;;;)。
ミニミニ・カセイジンについては、今回展示されたものはドオンブリカ篇で出てきたものと一緒のものだと思います。
今回、名札のついたほうとあわせて2体とも一緒に再発見されました。ハルマキさんが知りたがっていらっしゃる名札の名前も、もちろんわかりましたよ。
その名前は……(以下自粛)。
なお、プリンプリンの初期の髪質についてですが、初期は違う素材を使っていて、のちに変更されたかどうかは、いまのところ確認がとれていません。
ただし、放送技術上の問題で、銀色の発色が思ったようにうまく出なかった、という話は聞いたことがあります。
それが本当なら、わりと早い時期に途中で素材そのものを変更した可能性はありますね。放送中に素材を変えていったというケースは、われわれが気づいている以上に多かったようです。
引き続き可能な限り調べてみます。
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